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雨のカーテン
2024
W2900×H1650mm/ 木材パルプ、ダウンシンカー、藍、ベニノキ、デルクス染料 / スプレー染色
その雨が降る前日まですごく暑かったのに、週末の雨が止むと急に寒くなったことが、雨のカーテンをくぐって夏から秋に切り替わったように思えた。
この作品はカーテンの一方から見ると夏の青色で、反対から見ると秋の黄色ににそれぞれ染められている。 相反するふたつの境界にあるのは隔絶ではなく、揺れ動き関係しあう様である。例えば私は性暴力の被害の経験から男性嫌悪の感情を持っている。しかし私の恋愛対象は男性である。尊敬する男性は沢山いるし、友人や家族までもが敵に思える時もある。
私の感情がどちらかに強く振れる時、もう一方にある感情や経験が自分を忘れさせまいとバランスを取ろうとする。そのどちらも、雨が降ったら水たまりができることのように、私の中に普遍的なものしてただ存在している。ふたつが関係しあい生じる揺れが両者を繋ぎ成り立たせていて、矛盾のように思えるふたつの側面を行き来する私は揺れるカーテンのようだと思う。




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