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還元される過去と表象
2022

 約1ヶ月間に渡って織物とドローイングを日々交互に制作し、自身の過去やその時間に対する捉え方を表すと同時に、その記憶とわたしたちとの関係性を空間で表現した。

 過去というのは「想起」を通して再構築されたものだ。その「想起」によって現在を通して過去を見ているが、あるときこれからの想像していた将来が大きく変らざるおえない出来事があった時、ものの見え方に1枚半透明なレイヤーを入れられた感覚になった。私たちは現在を通して過去を見ているが、同時に過去を通して現在を見ているということを、体験し深く理解した時に過去というものが1枚のカーテンのように思えた。 また、その想起に対しては常に関心の遠近法が働いており、記録に値する有意味な情報の取捨選択が行われている。私はこのことに空間性を感じた。
​ そこで、この卒業制作では絵や織物に現れる形や色は自身の過去の表象であるとし、 木炭で描かれる絵や織り重ねられていく糸を蓄積されていく時間に見立てた。 過去は私の背中からズルズルと裾を垂らすように垂れ下がる様子を織物に見立て、その過去から透けて見えるドローイングは自己と乖離した表現を孕み私を置いてけぼりにされる感覚を、ドローイングを宙に浮かせることで表現した。

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